2017年4月8日土曜日

3/16 おんぶで子育てスピーチ vol,2

続いて2人目は、三浦文江さんです。

いつもUmiのいえに素敵なおんぶ姿で来てくださる三浦さん。

三浦さんは救急救命士で,たくさんの現場を経験されてきた方です。
Umiのいえでも以前「お母さんのための救急教室」を開催していただきました。

そんな命の関わりのお仕事をされてきた三浦さんの
おんぶから見える子育てはどんなものだったのでしょうか。

どうかお読みください。


おんぶシンポジウム 2017 

三浦 文江




 私がおんぶの練習を始めたのは、息子が生後六ヶ月を過ぎた頃でした。

その頃の私は、強烈な産後クライシスに襲われていて、
苦しい日々を過ごしていました。

それまで張り詰めていた糸が、ぷつんと切れてしまったかのように、
突然かつ度々やってくるイライラ、不安感、抑うつ感・・・

これらのネガティブな感情は、少しずつ私の心を覆い始め、
やがて私の心は、真っ黒な雲に覆い尽くされ本当に辛かった。

私にとってのおんぶの始まりは、
そんな自分を変えたくて、息子と楽しく笑い合いたくて、
すがりつくように始まったものでした。

 そのような状況の中、息子をおんぶして外へ出たある日のこと。
その日はよく晴れていて、気持ちのいい空でした。

息子が、私の視界からいなくなってくれたことで空がよく見えた。

久しぶりに感じた気持ちのいい空気は、とてもクリアで、
私の心の雲も、少し晴れていくような気持ちになりました。

でも、ふと自分の肩を見ると、息子の小さな手が、私の肩をぎゅーっとつかんでいて。
その手はとても小さくて、温かくて、でも力強くて。
息子の手を見ていたら、涙がどんどん溢れてきて止まりませんでした。

 そのとき私は、息子を言い訳にしてあきらめることをやめました。
やりたいことがあるなら、息子をおんぶして、チャレンジしようと決めました。

私が笑顔で、楽しく過ごすことができていなければ、
きっと息子も、楽しくないだろう。

今、一番必要なことは、「自分自身を大切にすること」。

だからこそ、これからはたくさんおんぶの練習をして、
息子をおんぶして外へ出て行こう。
おんぶでどこへでも行くことができるように、おんぶ上手になろうと思いました。

そうやって、息子をおんぶして外出するようになると、
次第に私たちは、たくさんの人たちから声をかけられるようになりました。

「やっぱりおんぶはいいわね。昔はみんなおんぶだったのよ。」
そんな声と共に、息子は背中を撫でてもらうようになりました。


商店街に行くと、お店の方たちが私たち親子の顔を覚えてくれて、
声をかけてくれたり、時には飴ちゃんまでもらうようになりました。
息子をおんぶして、ダンスもできるようになりました。

そして何よりも、息子とおんぶで共に視る景色、背中越しに感じる彼の息遣い、
新しい発見をしてあっと喜ぶ息子の声が、私たち親子にとって一番幸せな時間に変わりました。

今、息子は、自分の足で歩くようになり、
彼の世界はどんどん広がってきています。


だからこそ、息子は度々おんぶを求めてくるようになりました。

背中にぴったん、あったかい感覚が、息子の心に元気をもたらし、
彼は今、その元気を、自分の世界への準備として少しずつ貯めているのかもしれません。

そして私は、息子の心を、サポートできるおんぶを、
息子と一緒に見つけていくことになるのだと思います。







桜が、ちらほらと咲き始めてきました。

私の父は、息子が産まれる1年前、息子と出会うことを、心待ちにしながら、
いつもより早く桜が咲いた日に、空へ旅立ちました。

去年の桜は、まだまだ辛い気持ちで、空を見上げていたけれど、
今年は去年とは少し違う気持ちで、息子をおんぶしながらお花見をしたいと思います。

そして、天国にいる父に、祈りを捧げようと思います。










三浦文江さん
ありがとうございました。

続きまして3人目は児玉咲季さんです。
児玉さんのスピーチはこちらから。

どうぞご覧ください。
夏井

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